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高森明勅
2014.4.28 13:39

安倍政権の「毎年移民20万人受け入れ策」検討は危険

安倍政権は先頃、少子化による労働人口の減少への対策として、
毎年20万人の移民を受け入れる」という政策の検討を開始した。

これは実に危険な愚策だ。

安倍政権の経済政策は、
国民の所得アップを図ることで景気の回復を実現する、
という触れ込みだったはずだ。

ところが、これまで実質賃金は下がり続けている。

この上、毎年20万人も安価な労働力を海外から受け入れたら、
どうなるか。

国民の所得は更に切り下げられるだろう。

そうなると消費は冷え込み、景気は悪化の一途を辿る。

貧困化した若者の非婚率は高まり、少子化に一層、拍車がかかる。

ますます労働人口が減るので、移民の受け入れはより拡大し…
という悪循環が待っている。

その間、窮乏化した日本人と移民との対立は激化し、
国内の犯罪率も跳ね上がるだろう。

日本人が長い歳月をかけて築き上げて来た
信頼感やあらゆる社会的
美徳は、短期間で失われてしまいかねない。

今、政府が目指すべきは、安易に移民に頼るのではなく、
最上の少子化対策として、国民所得の押し上げに全力を傾注し、
内需主導による景気の回復を成し遂げ、
日本の若者が自分達の未来に
希望を持てるようにすること以外にな
いはずだ。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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